【キャラクター紹介】シルビア・バジェット

シルビア・バジェット ― キャラクター紹介

孤児院に預けられたとき、
彼女はすでに両親を亡くしていると告げられた。

身元を示すものは何もなく、
ただ一つ、頭につけていたカチューシャに
「SILVIA」と刻まれていたことだけが、
彼女がこの世界に存在する証だった。

それが、彼女の名前になった。

彼女は、自ら「バジェット」姓を名乗った。

やがてシルビアは会社を立ち上げた。
十数年で世界に名を響かせる巨大企業へと育て上げる。
それは才能や運ではなく、
徹底した合理性と観察力の結果だった。

世界を“システム”として捉えるその視点は、
彼女を若き経営者として頂点へと押し上げた。

仕事に明け暮れていたある日、会議を終えビルから出たシルビアに、一人の小汚い研究者が声をかける。

「バジェットさんですね・・・。
私は冥界へ行く方法を研究しています・・・。
あなたの本当の願い・・・。
叶えてみませんか・・・。」

非科学的。非合理的。
普段の彼女なら、即座に切り捨てる話だった。

だが、シルビアは、会社に一切知らせることなく、その研究者のために密かに研究所を用意した。

表向きは製品開発の研究所として。

理由は一つ。

亡くなった両親に、会いたいから。

合理主義で世界を制した彼女が、ただ一つだけ抱え続けている、どうしようもなく非合理的なな願い。

シルビア・バジェットは、卓越した知性と冷静な判断力でさで世界を動かした。

しかし、今の彼女を動かしているのは、たった一つの不合理な感情であった。